にー

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 家に着いたのは十時、レオは無事に妹によって保護され、リビングにいた。  彼の身体を抱きしめる。勢い余ってぎゅっとしたため苦しかったのか、もがいて私の肩へ逃げた。  それを引き離し、もう一度抱きしめて、湿った黒い鼻にキスをして、解放した。  いつもは素直になれない私が、珍しく妹に感謝した。  コンビニで買ったお菓子をあげた。  ハロウィンだったのも兼ねて。  小遣いが少ない妹には、かなりいい部類に入る差し入れだろう。  そのあと、いつものようにベッドにいる母親に謝罪の言葉をかけた。  不本意だが、レオの安全は母親にかかっている。  慎重に扱わないと、また大変なことが起きかねない。  父親も頼りにならない。  会社では上半分以上の役職らしいが、どんな仕事をしているのか詳しくは知らない。  前に多額の借金をし、家族に迷惑をかけたとして休日の家事全般は父親がやることになっている。  とても私を助けてくれるとは思えない。  いつ私はこの家から出られるのだろうか、やっぱりアパート探そうかな。  早く自立したい。  前にも増してふさぎ込むようになり、こうして文章を書いている今日も、かろうじて与えられている物置同然の自室にこもる。
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