8人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
真沙夫
「お前ほんとに自分のことしか
考えてねーのな…」
舞
「はあ?
それの何がいけないの?
人間所詮は自分が一番
かわいいものなのよ。
あたしは本能の赴くままに
生きているだけ。
何かおかしい?」
真沙夫
「そこまで胸張って
言えるお前を、
俺は尊敬するよ…
色んな意味で」
舞
「まあそんな話は
どうでもいいわ。
話は簡単、今度の日曜日に
あの二人を遊園地に行かせるの」
真沙夫
「わざわざデートさせるのか?」
舞
「そう。
そしてそこに
あたしたちも行く!
んで迷子になるの。
わざとね。そしたら
それに気づいたまき兄は
きっとすっ飛んでくるわ!」
真沙夫
「で?それからどうすんの?」
舞
「真沙夫、アンタ仮病使いなさい」
真沙夫
「はあ?仮病?なんでそんなこと…」
舞
「わかんないかなあ?
そこでアンタが
『俺…琴子さんに
側に居てほしい。うるうる』
とか何とかいえば、
あの女のことだから
きっと言うこと聞くに
決まってるわ」
真沙夫
「そ、そんな恥ずかしいこと
言えるかよ!!ていうか
なんで俺なの!?
そんなのお前がやったって
いいじゃん!」
舞
「つ、つべこべ言わず
言う通りにしなさい!!
遊園地のことはあたしから
まき兄に話しとくから、
そういうことで!!」
舞は勢いよく部屋を出て行った。
真沙夫(M)
「よくもまああれだけ
勝手なこと言えるな…。
要するに自分が兄貴と
二人で遊園地で
遊びたいだけだろうが」
「理不尽な舞の作戦に
ため息をつきつつも、
琴子さんにまた会えると思うと、
俺は日曜日のことを
妄想せずにはいられなかった。」
最初のコメントを投稿しよう!