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琴子
「あ、ううん。
悪い意味じゃないのよ？
真沙夫くんは、
真樹央に足りないものを
持ってるよねってこと」
真沙夫
「兄貴に足りないものを…
俺が？まさかそんな…」
琴子
「例えば…
照れ屋で甘えん坊なとことか。
真樹央が照れたとこって
見たことないし、
私には絶対甘えないの。
まあ私が甘えたくなるような
性格じゃないからかも
しれないけど、ね。」
真沙夫
「俺、甘えん坊に見えます？」
琴子
「え？だってさっき
ここにいて…!
みたいな顔してたから」
真沙夫(Ｍ)
「表情に出てたのか…!!」
真沙夫
「あ、あれはその…!
舞に気を使っただけです!!」
琴子
「ん？
気を使った、というと？」
真沙夫
「あいつが兄貴と二人で
遊びたいんじゃないかなあと
思ったものですから、
ここは俺が人肌脱いで
やろうと思って…」
琴子
「ぷっ、あははっ。
そうだったの？
なーんだ。…じゃあ
お腹の痛みも演技とか？」
真沙夫
「…あ。えと、それは…」
琴子
「いいよもう、隠さなくても」
真沙夫
「はい…すみません…」
琴子
「よし!じゃあ行こっか」
真沙夫
「え？行くってどこに？」
琴子
「元気なんだったら、
せっかくなんだし遊びましょ!
遊園地に来てるのに
寝てるなんてもったいないもの」
真沙夫
「あっ、でも舞が…!」
琴子
「だから、
私たち二人で。ね？」
真沙夫(Ｍ)
「何ということでしょう。
彼女の方からお誘いを
受けてしまいました。
神様、何もかもが
うまく行き過ぎて、
これから大きな不幸が
訪れるのではないかと、
僕はとても不安でなりません」
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