3.異変

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君が消えてしまう…。 まだ何も伝えてないのに… まだ…一緒に居たいのに…。 ―*― 『もう良い!喋りなさんな…気持ちは、充分分かった…!俺も…桜花が好きじゃった…笑った顔とか、歌うとことか…俺は、桜花に逢えて嬉しかったんじゃ…。』 稚兎瀬は桜花を抱き締めたまま言った。 「…あり、がとう…嬉しいな、両想いだった…んだね、ごめん、もう…行かなきゃ、逢えて嬉しかった…これから、は…桜を見て、思い出して…?…じゃあ、ね…。」 桜花がそう呟いた瞬間、稚兎瀬の中にあった温もりが消えた。 すると、桜の花が風に乗って散り始めた。 桜が散る姿はとても綺麗で、踊っているかの様。 稚兎瀬は、突然の別れに泣きじゃくった。 『桜花…!…お前の事は…忘れんから…!毎日、この丘に来る…また…逢えたら…』 その言葉を最後に、稚兎瀬はその場に倒れた。 翌日、稚兎瀬が目を覚ますと病院に居た。 長い間雨に打たれた為、並木道に倒れていたのを発見されたそうだ。 親に心配されたが、稚兎瀬の耳には入ってこない。 『…並木道、丘の上に居ったはずじゃが…まさか、な』 稚兎瀬は小さく呟いた。
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