序章

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年齢は五歳くらいかな… 親と公園に来たけど迷子になっちゃたのかな? 話しかけようと思ったけど、面倒に巻き込まれそうな予感だったので、そのまま次の教科の勉強をしようとした。 数十分経ってチラッと前に目を向けると、先ほどの男の子が向かい合わせに座って私の勉強を見ていた。 「!!」 硝瑚は一瞬驚くも、すぐに平然を取り戻す。 一方、男の子はニコニコとしている。 勉強中にジロジロ見られるのは正直苦手だ、かと言って子供相手に「勉強の邪魔だ、どっか行け」と、言うのも少々、気が引ける。ここは、やんわり言わねば… 「僕、私の勉強を見て面白い?」 「うんっ」 「……そ」 男の子は笑顔のまま、顔を崩さない。 「ここへは、お母さんと来たの?」 「僕一人だよ」 「……へぇ」
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