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会話は続かず、やがて男の子は見飽きたのか持っていた紙切れを置いていったまま、どこかへ行ってしまった。
「今日は客が2人もか…いや、正確には1人と1匹か」
硝瑚は男の子が置いていった紙切れに手を伸ばし見ると、商店街の割引券の文字。
裏をひっくり返すと、そこにはオンラインゲームの広告が書かれていた。
「幻想の魔大陸、α版オープン…ねぇ」
―こんな日常も、そろそろ飽きたな…
PCゲームで期間限定の無料公開と書かれており、それは硝瑚の気を引かせた。
ゲームは好きでもなかったが、格好の暇つぶしとなると考え、紙切れを鞄の横ポケットに閉うと公園の時計を見る。
時刻は正午。
硝瑚は教科書を鞄の中に投げ入れ、肩に担いで、その場を後にし学校へ向かった。
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