第一声

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『誕生日おめでとう!』  ケータイから聞こえてくる快活な声。  ――ってか、朝早過ぎだよお前。まだ『とくダネ!』も始まってねぇよ! 『今日はちょっと早く出なきゃいけないからさ。……そうそう、今日から胸張って酒飲めるね』  ――別に胸張って飲まなくてもいいだろ、ってか既に俺ん家の冷蔵庫には缶ビール詰まってっけど。 『煙草も吸えるよ』  ――俺は煙嫌いだから、煙草は見るのも嫌だね。 『……なんだよぉ、つまんないの~』  彼女を少し落胆させてしまったようだ。 『あっ、そろそろ時間だ。……じゃぁ、あとでね』  今日の夜、高校時代の友人達が誕生日会を開いてくれるそうだ。
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