繋がりの向こう側で

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 午後3時。  未だに激しく雨が降る。  家のチャイムが鳴った。  ドアを開けると案の定。  藍梨。  家の鍵を渡していなくて良かったと最近思う。  付き合い始めて早くも1年が経とうとしている。  彼女は俺よりも2歳年下で、年相応に可愛い。  とりあえずあがってもらうが、俺は仕事の途中だったので、再開する。  数分はソファでじっとしていたが、飽きたらしく、冷蔵庫の中を物色する藍梨。  頬に冷たい感触が来たと思った瞬間、顔をあげると、いたずら好きな子供の顔でこちらを見ている。  両手にアイスティーのグラスを持って。  ちょうど咽喉が渇いていたので、俺は有難く受け取った。
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