プロローグ

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
『おい坊主、わしゃ酒が飲みたいのだがのう』  頭の中で木霊する白髪ジジイの低い声。  俺の頭の中には、なぜかジジイが住んでいる。  遡ること八日前、十二月十七日の出来事だ。  朝起きると同時に頭痛に苛まれた俺は、ひどい眩暈に襲われ部屋で倒れた。  そして気がついたときには既に脳内にジジイが住み着いていた。 『耳は付いとるのか坊主、わしゃ酒が飲みたいのじゃ』 「煩ぇクソジジイ。今度話しかけたら胴体の脳内切除手術を敢行するぞ」  住み着かれてから八日目の朝、俺は学校に居た。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!