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「起きろボケっ!」
顔に硬式野球ボールが当たったような衝撃。
ボールが顔にめり込んで振りぬかれた感覚がやけにリアルで目が覚めた。
「いってぇ!」
のけ反りながら机の足に頭をぶつけた俺。
あまりの情けなさと恥ずかしさで完全に脳が覚醒した。
『恥ずかしさの余り頬を朱色に染めている場合じゃねぇぞ小僧』
「るせぇ。ピュアなんだよ俺は!」
「はぁ? てめぇ状況見てもの言えよ!」
羽柴が俺の頭を鷲掴みにし、定位置から九十度以上回転させようとするが構造上回るはずがない。
俺の首筋と羽柴の膂力が定位置から八十度の地点で火花を散らしていた。
しかし、頭を傾けられた俺の眼前に広がる光景に、背筋は凍りついた。
目の前にそびえ立つのは燃え盛る炎。余りの出来事に体の力が一気に抜ける。
瞬間、強まる羽柴の力に負け、首が捩じ切られそうになったが土壇場で羽柴の力が抜けたので取り合えず死なずに済んだ。
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