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けれど、それが何なのかを確かめる余裕は、全くありませんでした。
超至近距離、それも、自分に跨るようにして、テューアさん、いえ、男の人がいたんですから。
私が、呆然として固まっていると、テューアさんが心配そうな顔、心配そうな声で言ってきました。
「おい、大丈夫か? ケガとか、無かったか?」
「……あ、は、はい! 大丈夫でした!」
すると、彼は、苦笑混じりの顔を浮かべるんです。
「そっか……。良かった。ラジカセが当たるとこだったの、ちゃんと助けられたか」
そこでようやく、私は何が起きたのかを、何となく理解しました。
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