第一章 再会

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『佐伯先生なら多分数学準備室に居てるで。』 『おおきにー!』 遠山先生に元気にお礼を言うたさっちゃんは、 こちらを振り向き、 『準備室やって♥』 とだけ言うて遠山先生にピターっと引っ付いて行ってしまった。 いくら放課後言うたて、 それはまずない? ってか! 遠山先生も何デレデレしてんねん! あんな? さっちゃんの事大好きやで? 亮ちゃんに恋してる時、 一番の理解者やったんもさっちゃん。 でも、 付いてきてくれたってえぇやんかー!! と。 ひとまずグチはこんくらいにして。 あたしが高校生の時、 毎日のように通ってた数学準備室へと急いだ。 見慣れた廊下を歩き、 光の射す階段を駆け上がると、 ほんま もう一回高校生なったんちゃう? ってくらいの懐かしさ。 亮ちゃんが数学の先生なら、 あたしもう一回高校生してもえぇよ。 .
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