第一章 再会

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『せーんせっ。』 今までの、妙な緊張を何とか押さえ込み、 精一杯の笑顔で挨拶をした。 亮ちゃんは一瞬ポカーンとしとったけど、 『あぁ!河口か!なんや久々やな~』 って すぐにいつもの笑顔を見せてくれた。 『こっちに赴任になってん。四年ぶりの東高や。』 知っとーよ。 今日やって亮ちゃんに会いに来たんやから。 でも、 『うん、遠山先生に会いに来たら佐伯先生の名前、見えたけん』 って言うといた。 『ほんま久々やな~。やっぱ女の子は化粧したら全然雰囲気ちゃうねんな。』 そう言って吸っていたたばこを灰皿に押しつけた。 見ちゃあかんものを見た。 亮ちゃんは そこへ釘付けになっているあたしの視線に気づいてこう続けた。 『あぁ、結婚してん、二年前。』 そうやねん。 先生の左手には、 シンプルなシルバーのリング。 亮ちゃんが、 誰かのものっていう 証──‥。 .
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