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トントントン。
一定のリズムで、結城は私を抱えたまま階段を上る。
その間も、私の必死の抵抗は続く。
「離せ!……降ろせ~~~っ!!」
「うるさい。お前は階段から落とされたいのか!」
「イヤです!!」
暴れるのをやめると、結城はため息を一つついて、また階段を上り始めた。
「おっ……?来てたのか。蒼司。」
そこに現れたのは、マスターだった。
何で?いま……蒼司って呼んだ??
「マスター!!助けて……。」
「あはは。心配ないよ。コイツは、間違えても拉致監禁なんてしないよ。」
そこまで言ったところで結城は、にっこり笑って。
「お邪魔しました。」
玄関のドアを開けた。
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