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外に出ると、店に入る前より人通りが多くなっていた。
「重い……降りろ。」
結城は不機嫌な顔をして、ぽつりと言った。
その言葉に私はキレた。
何その、超疲れましたみたいな、骨折れましたみたいな!?
「先生が、勝手に私を抱えて連れてきたんだろ!!」
「……ああ、そうだったな。さあ行くぞ。」
応戦する様子もなく、結城は向きを変えると歩き出した。
「私は行きませんから!」
そう言うと、ぴくっと反応して、こちらに向き直した。
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