恋の足音

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---10月に入り、今頃の時間は少し冷え込む。 「……寒。」 上着、持ってくるんだったな。 ため息をついて、あからさまに後悔していると。 バサッ!! 「――――!?」 急に、何かが私の顔に覆いかぶさって視界を遮られた。 恐る恐る、手に取ってみる。 コート……? 「……ったくお前は。どうして、いつも薄着なんだ?それ着ろ。」 前を歩く結城との間は2、3メートルくらい離れていたのに。 「……優しいところもあるんですね。」 「お前、かなり失礼だろ。」 その反応に、つい笑ってしまう。 ……あったかい。
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