999人が本棚に入れています
本棚に追加
---10月に入り、今頃の時間は少し冷え込む。
「……寒。」
上着、持ってくるんだったな。
ため息をついて、あからさまに後悔していると。
バサッ!!
「――――!?」
急に、何かが私の顔に覆いかぶさって視界を遮られた。
恐る恐る、手に取ってみる。
コート……?
「……ったくお前は。どうして、いつも薄着なんだ?それ着ろ。」
前を歩く結城との間は2、3メートルくらい離れていたのに。
「……優しいところもあるんですね。」
「お前、かなり失礼だろ。」
その反応に、つい笑ってしまう。
……あったかい。
最初のコメントを投稿しよう!