999人が本棚に入れています
本棚に追加
「莉緒!今日もKANON(カノン)行くだろ!?」
夕暮れに染まる校舎から、出てきた私を後ろから呼び止めたのは。
紛れもなくウチのリーダー。二宮楓(にのみや かえで)。
--楓は185cmの高さから、私を笑顔で見下ろしている。
……簡単に言うと、私より20cmも背が高い。
「当たり前だろ。今のところ、それが私の生きがい……なわけだし。」
私がそう言い返すと、楓は「そうだろうな」とでも言っているかのように。
ふっと……また、優しい笑みを浮かべて、私の頭をぽんぽん叩く。
そして、私が通っている高校から10分程歩くと、ビルやショップが立ち並び、少し……いや、かなりざわついた場所に辿り着いた。
歩いている間も楓は、とにかくしゃべる。
まあ……いつものことだから、もう慣れたけど。
最初のコメントを投稿しよう!