恋の足音

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とりあえず、何とか気持ちを落ちつけて、学校にたどり着いた。 校舎の中に入ると、真っ暗で不気味だった。 部活をしている生徒以外は、みんな帰っちゃったんだ。 窓から外を見ると、野球部が後片付けをしている。 「何をぼーっとしている。こっちだ。」 結城に呼ばれて、入った部屋は音楽室だった。 そうだ。確か、結城が教えてる科目は音楽だったっけ---。 ……にしても、ますます不気味。 後について入ると、壁に貼られた有名な音楽家の写真が、今にも動きだしそうに見えて仕方なかった。 「……そこに座ってろ。」 はいはい。 私は、言われたとおりに椅子に座った。
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