恋の足音

6/19
前へ
/480ページ
次へ
バサッ。 結城は机の上に、1冊の本を置いた。 本というか……。 「----出席簿?」 「残念だが、お前の出席日数は半分以下だな。」 冷ややかに答えながら、結城はパラパラと出席簿をめくり、私の名前が書かれたページを開いて見せた。 そこに書かれた数字を見ると、確かに言われたとおりで。 「---私、本当に留年ですか?」 「補習を受けないならな。」 はあ……留年は、さすがにヤバい。お父さんなんか、留年するなら絶対バンドをやめろって言うに決まってるし。 それだけは、断固阻止しないと!! 「----受けます!!さっそく今日からでも!」 私は結城に、はっきりと言った。 それを聞いた結城は、ふっと笑いながら。 「覚悟しろよ。補習期間は1か月だ。」 な……何だって---!? ---1か月も!?!? そして、さらに追い討ちをかけるように。 「そして、毎放課後に必ず受けること。」 もう、意識不明になりそう---。
/480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1000人が本棚に入れています
本棚に追加