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そしてニヤニヤしながら彼女であるかすりを見下すのであった。
「ふーん、かすりさんがねー」
当の本人は顔を真っ赤にしながら、そっぽを向いてしまう。
「へぇー、かすりさんがねー。さっきはあんなに素っ気なかったのに。ふふーん、かすりさんがねー」
「いいでしょ、心配くらいしても」
強気に返すのも、今の彰にとっては良い刺激であり、調子に乗らせるため逆効果だ。
「彰、もういいだろ。帰ろうぜ」
「そだな。かすり、悪かったよ」
「…ふん」
すっかり機嫌を損ねた彼女を和ませて、彰達は保健室を後にする。
今の彼女に夢中の彰の頭の中には、さっき見た夢のことなど、これっぽっちも留めてはいなかった。
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