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2008年12月01日-15:30-
とある地下研究所にて──
薄暗い部屋の中、微かな照明に照らされた男2人──ひとりは白衣を纏い、もうひとりは軍服を着用している──が何やら会話しているようだ。
「そろそろ実験を開始します。よろしいですか、Mr.K?」
「あぁ、早速はじめてくれ。」
Mr.Kと呼ばれた軍服の男がそう言うと、白衣の男は部屋の隅にある金庫へ移動し暗証番号を入力し始めた。
その様子をMr.Kがただじっと見守る。
彼らがいる部屋にはいずれも白で統一された簡易ベッド、薬品棚、事務机などがあり、一見すると病院の診察室のような造りをしている。
だが、部屋の中央に置かれている白い簡易ベッドに、男が猿ぐつわをされ上半身裸で拘束されているという光景は、病院にしてはいささか不自然すぎる印象を与える。
「ん゛ん゛ー!」
拘束されている男は呻き声を上げて必死に何かを訴えていた。
「ふぅ‥やっと開いた。」
白衣の男は拘束されている男の事など目もくれず、金庫から取り出した緑色の溶液を空の注射器に注入していく。
「ん゛ん゛ー!ん゛ん゛ん゛ー!!!」
その様子を見た男は目を見開き、くぐもった声をさらに大きくした。
「言いたいことがあるなら言えよ。猿ぐつわ取ってやるからよ」
そう言うとMr.Kは男の猿ぐつわを外した。
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