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店の中は、見渡す限りの本で埋め尽くされていた。
…が、その全てが自分の知らない言語ばかかり。
「すいません。どなたかいませんか」。
返事はない。
フッと目の前の机を見るとポツリと一本の木の棒が置かれていた。
棒には10㎝程皮が張られていた。
少年がその棒に触れようとすると…
「Don’t touch!!」。
と奥から聞こえたが…すでに遅かった。
少年はその木の棒に触れてしまった。
その瞬間、腕が熱を帯び皮膚が少し焼け目を眩ます程の光を発した。
光が治まり腕を見ると手の甲には王冠をかぶった十字架が刻まれていた。
棒から小さな赤いドラゴンが出て来て少年の肩に乗った。
だが、少年は腕ばかりを気にして赤いドラゴンにまったく気付いていなかった。
「大丈夫か!?」。
店の奥から明らかに90歳を超えている老人が現れた。
「アンタ、何者なんだ…竜の魂と不死鳥の尾から作った魔法の杖を抑え込んだうえにその精霊に好かれるだなんて…名前は」
老人はあご髭を触りながら言った。
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