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急降下してきているのは、紛れも無く鳥であった。
「道中でのさっきの会話と良い、お前はホント鳥が好きなんだな。だが、こんな弱っちい攻撃、俺には無意味だ!!」
そう言い放つと、彼は身に纏っているマントを、身をかばうようにフワリと広げる。
鳥が急降下して来ているのに、彼も少年と同じく冷静な態度である。
キュイイィィン!! という空を切る音ともに、鳥たちは物凄い速さと勢いで、マントの男へと突き進む。
その瞬間――。
ガツンッ!! 何か鈍い音が鳴り響いた。
人に当たった音ではなく、固いものと固いものがぶつかったような音。
よくよく見ると、鳥たちの攻撃はマントを貫通せず、マントに鳥の嘴が刺さっている。
「嘘……どうして?」
少年は驚きを隠せない様子。
「フハハ!! このマントは特別製なのだよ。こんな攻撃通じるはずもない。さあ、今だ殺れ!!」
そう叫ぶと、待ってましたとばかりに熊は、爪をぎらつかせながら手を大きく振りかざした。
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