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「ヤバッ!! どうしたら――」
少年の慌てふためく様子にニヤリと笑いながら、そのまま手を勢いよく振り下ろす。
「うわぁ!!」
少年の叫び声と共にサクッという、またしても予想外の音が聞こえた。
今度は何の音なのか?
少年の方へ視線を向けると、彼を庇おうとして木々がその体を歪めて、熊の鋭い爪を食い止めている。
先程の音は、熊の爪が木に刺さった音のようだ。
しかし、何故木々が少年を守るようにして、体を歪めているのだろうか?
「残念だったね、ハンターさん。無事に間に合って良かったわ」
突如、女性の声が。
「一体誰だ!?」
「フフフ」と、笑みを浮かべながら、黄金のように綺麗に輝く長い髪に、うっすらと頬が紅く染まった女性がゆっくりと姿を現した。
「アタシに会ったのが貴方の運の尽きね。この子は絶対ハンターには渡さない!!」
「お、お前はマスターの!? ちっ……だが、俺は退かねぇーッ!!」
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