第一章

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「ヤバい!! 初日からいきなり遅刻じゃん」 汗だくになりながら、必死で草木を掻き分けているのは、先程の高校の生徒と同じ制服を着た少年。 彼は誰もいない、草の生い茂った道ならぬ道を駆けながら、独り言を発していた。 発言の内容からして、どうやら彼が例の転校生のようだ。 「てか、ホントにこの道が近道なの? 一向に学校らしき校舎が見えないけど……」 誰もいない草道で、またしても独り言。 辺りを見渡しても、人影などなかった。 それどころか、この草道を人が通った形跡すらほとんど見受けられない。 雑草は生え放題だし、木々も整えられておらず、落ち葉も一面に散っていた。 「ゴメン、ゴメン。頼りにしてるから、いじけないでよ」 少しの間隔を空け、彼は続けて言う。 「ホントだってば。君がいなければ僕、ここからどう進んだら良いか分からないしさ」  
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