~記憶の断片~

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本橋が鬼誠會の面倒を見てくれる事になり,佐伯に会って来ると言って席を立ち上がった。 本橋「俺は出るけどゆっくりして行けよ!!また連絡する!!」 真央「はい!!色々とありがとうございました!!ご苦労様です!!」 全員に挨拶され,本橋は居なくなった。 再び新保逹は盛り上がり,永遠も真央に話掛けて来た。 しかし,何故か緊張して曖昧な態度を取っていた。 (…こんなに緊張するなんて……綺麗な顔だからかな……) 永遠「すいません…俺なんかが隣に居てもつまらないですよね…」 そう言われ,席を立ち上がろうとした時,真央は永遠の腕を掴んだ。 真央「何処にも行かないで…!!側に居て……」 (……あたし…初対面で何を言ってんだ……!!;) 自分でも予想外の言葉を言ったので驚いた。 永遠は満面の笑みを見せて再び隣に座ってくれ,口を開いた。 永遠「…実は俺も暴走族の頭張ってたんですよ」 真央「……張ってたって事は今は…?」 永遠「…潰れました……皆塀の中にまだ居ます…」 悲しそうに笑う顔を見ると,自分まで心が切なくなった。 永遠は更に族の時の事を話てくれ,その時に本橋に出逢った事も教えてくれた。 永遠「だからさっき…自分らと重なってつい笑ってしまって…」 真央「……思い出させてごめん……」 真央が申し訳なさそうにしていると,慌てていた。 永遠「思い出せて良かったですよ…!!それに……」 その時,大音量の閉店の音楽が店の中に鳴り響いた。 真央「…閉店か……帰んないと…」 新保達と立ち上がって店を出ようとしたが,呼び止められた。 永遠「…また会いたいから…連絡先教えて下さい…」 恥ずかしかったのか,顔を赤くしながら聞いて来た。 (……ホストだけど…女慣れして無いのか……?) 真央もまた会いたいと思った為,番号を交換して店を出た。
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