~記憶の断片~

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ガシャーン!! 店のドアを開ける前に何かが倒れる音がした。 バキッ!! ドゴッ!! 真央「!!!!」 中に入ると,先程の男が本橋に倒され,殴られていた。 真央達に気付き,本橋は胸ぐらを掴みながら話掛けて来た。 本橋「真央悪かったな…嫌な思いしただろ…?」 (!!あたしの為にシメてくれたのか…) どうやら,他の従業員に追い返そうとした事を告げ口された様だった。 本橋「おら!!てめえは土下座しろ!!!」 「…本当に…すみませんでした…!!!」 男は血塗れになり,一生懸命土下座をした。 真央「本橋さん…ありがとうございます…あたしは気にして無いんで…」 土下座して来る男を見ていると,何だか可哀想に思えた。 本橋「沢山男を付けるし代金は要らないから…好きなだけ居ろよ!!」 真央「気を使って頂いてすいません…」 従業員が席に案内し,次々とホストが真央達の間に座った。 皆楽しくしていたが,新保だけはひたすら酒を飲んでいた。 真央「もしかして…嫌だった…?付き合わせてごめん…」 新保「とんでも無いっす!!!…男と免疫無いんで…どう接すれば良いか分かんなくて…」 段々赤くなる顔が愛しく,可愛くて仕方無かった。 真央「相手に任せて自然に話してれば平気だから!!」 そう言うと,新保の隣に居た男が話に入って来た。 「俺も新人だから…新人同士楽しく過ごそうよ!!」 感じの良さそうな奴だった為,そいつに任せて真央も周りを見ながら酒を飲んだ。 (……皆が楽しければ良いけど…ホストって少し苦手なんだよな……) 隣に居た奴に話掛けられても,相槌を打つ程度だった。 直ぐに男は変えられ,違う男が席に来た。 「失礼します…隣に座っても良いですか?」 真央「勝手にどうぞ……!!!」 男の顔を見て,真央は驚いてしまった。
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