~記憶の断片~

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「…?…俺の顔に何か付いてますか…?」 真央「!!!…いや……何も……」 男の顔を見た途端,何かを思い出しそうだったが,戻ってしまった。 (……誰かに似てるんだけど…誰だっけ……) 考えながら見ていると,本橋が席に来た。 本橋「どうした?まさかこいつに惚れたのか?」 真央「ち,違いますよ!!;自分が惚れる訳無いっすから!!;」 本橋「そうか?俺から見ても綺麗な顔をしているのに…残念だったな永遠!!」 笑いながら男に話掛けると,苦笑いをしていた。 本当に綺麗な顔立ちをしているので,周りに居た後輩達も見とれた。 真央「……とわ……?」 永遠「はい!!永遠と言う字を書いてそう読みます!!」 眩し過ぎる笑顔に,後輩達も真央も釘付けだった。 (……永遠か……永遠に続く物なんて何か有るのかな……) ふと目が合ったが本橋に話掛けられ,慌てて反らした。 本橋「族を立ち上げたって言ってたけど…バックに誰か付いてんのか?」 本橋の組とは系統の違う組が鬼誠會の面倒を見てくれていた。 系統が違っていても,友好的な組関係の所だった。 真央「佐伯さんに面倒見て貰ってます…」 本橋「佐伯か…あいつは金を絞り取るから止めて置け!!」 少し前に近隣の族のケツ持ちをしていたらしく,その族は潰れた。 佐伯は高額な金額でステッカーやブランド物を捌かせ,金を巻き上げた。 挙げ句の果てには頭張っていた奴の女を無理矢理取っていたらしい。 本橋「お前らも手を出される前に気付いて良かったな!!俺に任せろ!!」 真央「ありがとうございます…!!宜しくお願いします!!」 全員「宜しくお願いします!!」 新保逹も頭を下げて大声で叫ぶと,店中の者が驚いた。 本橋「お前の事は妹分の様に思っているけど……本当に女らしく無えな…」 永遠「……ぷっ!!(笑)」 店の男達の中で,本橋と永遠だけが笑っていた。
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