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俺の世界はモノクロなんだ
きっと色は俺を捨てて逃げていったんだよ
『…別れるか』
たった一言だった
独り言のように貴方が溢したその台詞一つでいともかんたんに俺は俺を無くした
遊びなのは最初から分かってた
それでも
貴方の煙草を吸う仕草や
時折頭を撫でてくれる大きな手が
胸が苦しくなるくらい愛おしくて
酔った時だけでも俺に笑顔を向けてくれるからそれだけで十分だった
だって、それ以上を求めるのはきっと贅沢だから
『愛してる』の台詞も愛に溢れた優しいセックスもいらないから
俺を隣に置いていてくれればそれだけで満足だったのに…
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