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でも、仕方ないんだよ
きっと俺が重かったんだ
貴方の理想通りの恋人になれなかったんだもん
ううん、きっと貴方の恋人になる事自体俺は望んじゃいけなかった
俺、男だし…たまにしてくれる暴力的なセックスをくれただけでも贅沢なんだよ…
―――――――――――
錦戸side
「まっすー…?」
楽屋のソファに丸くなって寝転んだ増田の顔には一筋の涙が伝っていた
最近目に見えて華奢になった身体を更に小さくするように丸めていて
目の下にはファンデーションでも隠しきれない隈が出来ている
何で…こんな苦しそうやねん…
全てを愛らしい笑顔の下に隠して一人で苦しむ増田はまるで迷子になってしまった子どものように心の中で泣きじゃくっているようだった
雑誌の撮影で今日はメンバーが揃う
ツアー中だが相変わらず皆忙しく、雑誌の撮影で揃うのは久しぶりだった
増田に会えるのだと浮き足だって楽屋に入った錦戸の目に一番に入った信じがたい光景…
両手で必死に自分を抱き締めるようにしながら増田は眠っていた
その頬に透明な涙を溢しながら…
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