すきなひと

すぐそばに

　ぽかぽか陽気に誘われて、すっかり寝坊してしまった。

「いい天気」

　遅刻ギリギリかなぁ、と通学路を歩く。この時間に登校する生徒はそれなりにいるみたいで、私の前には学ラン集団、道路を挟んだ向こう側には学ランがひとりいた。セーラー服は私だけみたいだった。

　この時間は車の通りが少なく、いつも行く時間より落ち着いていた。それがなんだか心地よい。

　前の学ランたちは早足で、ずぅっと前の方に行ってしまった。向こう側の学ランは、どうやら私と同じペースで、のんびりのんびり歩いているみたい。

　気が合いそうだね。

　にっこりした気持ちで近づく学校を見た。