すぐそばに

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 チャイムの鳴る少し前、私はげた箱で上履きに履きかえた。間に合ったぁ、と靴をしまう。 「おはよう」  話したことのない学ラン姿の男の子に挨拶された。でも挨拶はいいもので、いい気分になる。 「おはよう」  爽やかな気持ちで挨拶を返す。教室にゆったり向かおうとすると、チャイムがなった。 「遅刻はやだな」  私はダッシュした。挨拶をしてくれた学ランは一瞬ぼうっとしていたが、すぐに走り出したようだった。
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