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でも、愛という女と二人しかわからない話をしている学を見ていると、我慢も限界を超えた。
「先に、行ってるから…」
学に背を向けながら、俺は、ラーメン屋に向かった。
「あっ、友達待たせちゃったね。じゃあ、そーゆーことだから、後で家に来てね」
「わかった。サンキュ」
この二人は、付き合っているのか?
考えるだけで、胸が締め付けられる。
「待てよ」
「……俺とラーメン屋なんて寄らないで、彼女と一緒に家に帰ったほうがいいんじゃね?」
「夜でいいよ。どうせ近所だし」
「近所に、可愛い彼女がいてよかったな」
抑えられない感情が、学に当たる。
「なんだよ。幼なじみなんだから、近所にいても普通だろ」
「…さっきの子は、学にとってなんなんだ?」
自分でも女々しいと思った。
だけど、はっきりさせないと、気になってラーメンどころじゃない。
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