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次の週の月曜日、学校に着いた瞬間、学に話し掛けられた。
いつもは言いたいことはズバズバ言ってくる学が、珍しく言いにくそうに口を開いた。
「あの…さ、今週の土曜日、暇?」
「暇だけど?」
「映画行かないか?」
「行く!」
学と2人で映画なんて、生きていてよかった。
神を信じていないけど、神様に感謝するほど嬉しい。
「よかった。この前、会った子いるじゃん?愛の後ろにいた子なんだけど、栄司に一目惚れしたみたいでさ。愛に、会う機会を作って欲しいって言われて、困ってたんだ」
「えっ…」
栄司と2人きりではない。
それがわかった時点で、俺は、落胆した。
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