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「悪い、悪い」
悪びれもなく謝ると、学は溜息を吐きながら言った。
『ぜってー、悪いと思ってないだろう?教師への言い訳、めんどくさいんだからな』
「わざわざ言い訳考えてくれたの?学、やっさしぃー」
ホラ。
こんな文句を言いながらも、俺の為にわざわざ根回ししてくれた。
見た目は優等生みたいに真面目なのに、言葉遣いは悪くて、でも、優しい学が、俺は、大好きだった。
『うっせ…。ったく、まだ、学校にいるか?』
「うん?いるけど??」
疑問符を頭に浮かべながら問う。
『ラーメン食いに行かね?日曜の遊びキャンセルしたお詫びに、奢るよ。用事ないなら、今日の帰りラーメン食いに行こう』
「えっ??!マジで?」
『マジマジ。玄関で待っているから、すぐ来いよ』
「行くいく!すぐ行くから、待っててな」
通話を切った携帯を握り締めて、ガッツポーズを取った。
学との放課後デート。
今日、死んでも悔いになし。
それぐらいに、とても嬉しかった。
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