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中学時代の悪ガキ達の集まりみたいなもんだ。
離れた高校に行った同級生が帰省した。
「四谷先輩、久しぶりっす」
同級生こと四谷の実家は焼き肉屋で、その二階。
現れたのは後輩の星。
「おう、久しぶり。」
四谷剛(よつやつよし)。
かつて中学時代、加持と広泰と勢力を分けた男。
2年の時、加持が2人に勝ち2年最強になった。
それからは加持の下についたのだが。
それから現れたのは佐賀。
10人程度の懐かしい面々に挨拶をし。
四谷の隣へつく。
「よー!相変わらず目つき悪ぃ」
「久しぶりなのにソレかよ佐賀。」
「ぅす、あぁ加持もすぐ来る。」
とりあえず、乾杯。
「まさかなぁ、加持が桜井先輩はあれだとしてよ。学年トップ取れなかったなんてな…」
思い出すのは卒業式。
「お前、赤陽のトップ取れよな」
「ふん、テメェもな」
負けてんじゃねぇぞ、
そう言って拳を合わせた。
「…まぁな、青木に勝ったとしてもだな、一年んときは金子先輩てのには勝てないだろうし…赤陽の壁は厚いわけよ…」
佐賀も、当時をふと思い出した。
瞼を細め、馬鹿とも無邪気とも言えた頃を。
それから、ふと
「つか、四谷。お前、加持見たら驚くだろーな」
現代へ回想してきた記憶が、今の加持を思い浮かばせた。
牙を隠した、なんとか。
きっと四谷の知らない加持だ。
「…まぁ、俺も驚きましたから」
と、星。
それから間もなく。
襖から顔を出した加持に、四谷は佐賀の言った通りになった。
「悪ぃ、遅くなった」
ぱちりと瞬きを一度。
それから、四谷はくるりと振り返り佐賀の肩に腕を回した。
「ぉい、佐賀。加持はどうなったんだ!?」
まるで見違えた。
「……」
佐賀は言いよどむ。
その間に、四谷は不思議そうな顔で近づいてきた加持を見上げ。
再び、佐賀に顔を近づけた。
「なんだよ、何か可愛くなってねぇか!?」
ひそひそと。
その後ろから。
「おい、何無視してくれてんだ」
加持が四谷の丸まった背中を蹴った。
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