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「誰かいい人いないかなぁ~」
休日の午後、暇を持て余したアタシに付き合ってくれた友人と、お茶をしながら漏らした言葉。
「あれ? 聡美、アンタ2歳下の彼氏いたじゃん、どうしたのよその人」
コーヒーカップを手に聞いてきた陽子の顔を見てアタシは答えた。
「ん? 別れたよ」
アタシの言葉を聞いて陽子はコーヒーを噴いた。
「陽子~、汚いなぁ」
「ホラホラ早く拭いて!スカートにかかってない?」
そう言って陽子の前に飛び散っているコーヒーを、バッグからティッシュを取り出し拭いてやっているのは藍子。
アタシ達3人は高校時代からの友達。
高校に入学して同じクラスになり、席が近くて話をするようになったのがきっかけで、それ以来の付き合いをかれこれ13年続けている。
「なんで別れたのよ、どうせ聡美の事だから束縛されてとか言うんでしょ? もうこれで何人目?」
藍子はアタシを見ずに、陽子の世話をしながら言った。
「だってさぁ、俺の女みたいな態度だし、一日何回も電話してくるし……嫌なんだもん、そういうの」
「出た……、聡美の『嫌なんだもん』が」
藍子に世話されている陽子が、アタシを見て言った。
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