アタック

5/18

4820人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
  その晩、アタシは陽子と晩御飯を食べに行った。   誘ったのはアタシ。     「で? 付き合うの?」   陽子がそう聞いてきた。   アタシが食事をしながら、彼の話を陽子にしたから返ってきた言葉だ。     「あ、それはまだ解んない。付き合ってくれって言ってないしね。 アタシはいいなって思ってんだ。 だって40過ぎてて独身だよ! つー事はこの先も結婚する気無いんだよ」   「解らんよ」   そう言いながら陽子はグラスの水を一口飲んで続けた。   「結婚したくなくて独身なのか、結婚したくても縁が無くて独身なのかで、付き合いも全然違ってくるじゃん」   「今度聞いてみようかな……」    「なんて?」   「結婚ってしたいですか?ってさ」    「アンタが聞きたいなら聞いてみたらいいんじゃない? あ、そうだ。 アタシね、来週見合いするんだ」   「え? なんで? 陽子って恋愛結婚したいんでしょ?」     そう聞いたアタシに陽子は、恋愛結婚は諦めた、と言った。  
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4820人が本棚に入れています
本棚に追加