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その晩、アタシは陽子と晩御飯を食べに行った。
誘ったのはアタシ。
「で? 付き合うの?」
陽子がそう聞いてきた。
アタシが食事をしながら、彼の話を陽子にしたから返ってきた言葉だ。
「あ、それはまだ解んない。付き合ってくれって言ってないしね。
アタシはいいなって思ってんだ。
だって40過ぎてて独身だよ! つー事はこの先も結婚する気無いんだよ」
「解らんよ」
そう言いながら陽子はグラスの水を一口飲んで続けた。
「結婚したくなくて独身なのか、結婚したくても縁が無くて独身なのかで、付き合いも全然違ってくるじゃん」
「今度聞いてみようかな……」
「なんて?」
「結婚ってしたいですか?ってさ」
「アンタが聞きたいなら聞いてみたらいいんじゃない? あ、そうだ。
アタシね、来週見合いするんだ」
「え? なんで? 陽子って恋愛結婚したいんでしょ?」
そう聞いたアタシに陽子は、恋愛結婚は諦めた、と言った。
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