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「今どこ?って聞いてきて、アタシが家に帰ってない事解るとグダグダと言うんだよ。
俺とゆっくり話したいとか思わんの? とか言ってさ、毎日毎日話す事無いっちゅうの」
彼は聡美が大好きなんだって、と藍子がいったが、アタシは納得いかない。
大好きだったらグダグダ言っていいっていうのか?
結婚してる訳でもないのに行動を聞かれ、帰りが遅いだの、誰と出掛けてたのかといちいち詮索されて、その度気分が悪い。
アタシはアタシのモノであって、彼の所有物ではない。
「それでも彼氏いるだけいいじゃん」
「だから別れたって!」
「あ、そうか。じゃアタシと同じフリーって事だわね」
陽子が言う。
「つー事は私だけですかぁ? 彼氏いるの」
藍子が笑って言ったが、アタシ達は笑えなかった。
だって藍子の彼氏って妻子持ちなんだもん。
いわゆる不倫っていうやつですわ。
未来の無い付き合いのどこがいいんだかってアタシは思うんだけどね。
「彼と私は身体の相性がいいのよ。彼以外の人と寝るなんて事は考えられない」
そう言う藍子……。いいのか? そんなんで。
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