アタック

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  家に帰ってきてから陽子に電話をした。   今日の事を伝えると陽子は笑って言った。     「あんたって待たないよね。いいと思ったらすぐ行動に移すじゃん。 相手をよく観察してからって事が無いから、ダメになるのも早いんじゃないの? 友達からで正解だよ」     そう言われてみればそうだ。   でも観察して、その人のいいとこ探してるうちに他の誰かに取られたら悔しいじゃないさ。   高校時代、それで失敗してからアタシは取り敢えず『いいな』と思ったらこっちからアタックする事に決めたんだ。   付き合ってみて、嫌な奴だと解って別れたあとは誰に持っていかれたっていいじゃん。別れたんだから関係ないし。     「あ、それよかお見合い今度の日曜日?」   陽子の見合いの話に振っていった。   じゃないとなんとなく説教が始まりそうな気がしたから。     「そう、日曜日。相手は保険会社に勤めている人なんだ」   相手の男性の会社に世話焼きのオバチャンが働いていて、そのオバチャンは陽子の親戚と仲良くしてる事からこの話が舞い込んできたそうだ。     「歳いくつ?」   「31だって」   30過ぎてんなら、この話が纏まればすぐ結婚じゃないか?   陽子も結婚したいんだからいい方向にいく事を祈った。  
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