28歳

4/10

4820人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
  「いや、そうだわ。身体の相性って大事だって思うよ」   陽子の放った言葉に、そうでしょう?、と同意を得た藍子は嬉しそうに言う。     「でもさ、一番大事なのは心と心が繋がってる事じゃん! 身体は二の次でしょ!」     はっきり言ってアタシはそんなものどうでもいいと思っている。   会えばすぐ身体を求めてくる男も正直ごめんなんだ。   手を繋ぐだけでいいし、キスだけでも満足する。   それを言うとふたりはいつも笑う。      ―子供かっ!―   ―アンタ、楽しみ方知らないでしょ?―     ふたりからはよくこう言われ、そんな事は無いと一応否定するが、最近そうなのかもしれないと思う事もある。     「付き合った男の数はこの中でダントツなのに、勿体ないねぇ」   陽子が皮肉を言う。     確かに、陽子や藍子に比べれば付き合った人の数は多いかもしれない。   でも、その中にコレだ!と思える人がいないってどうよ。   それって不幸だと思わないか?     「ダメだこりゃ……って奴アタシに回してよ」   陽子は笑って言うが、アタシのお古でいいのだろうか?    アタシは友達のお古はゴメンだ。  
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4820人が本棚に入れています
本棚に追加