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黙ってアタシを見つめる彼の視線に耐えられなくなってアタシは口を開いた。
「アタシは真司さんと付き合いたいな。
アタシとだったら付き合うのラクだと思うんだけどなぁ。
多少放っとかれても大丈夫だし、退屈させないし……」
「はははっ、解った」
「ホント?」
「考えておく」
(ちっ! イヤな親父)
今日は決めてやろうと思ったのにさ。
店員を呼びビールを3杯頼んだ。
「なんで3杯も頼むんだ?」
「ヤケ酒」
笑うオッサンに少々ムカつきながらビールを煽った。
きっと今までのアタシなら、ここまで頑張って思った通りにならなかったら捨ててる。
なのにアタシはこのオッサンを捨てられない。
キュンてしたから?
好きだから?
「そんなに飲んで大丈夫か?」
そう言われた時にはすでに3杯のビールが空っぽになろうとしていた。
「明日休みなんだもん、いいんだ……飲むんだ」
店員を呼びビールを頼む。
ビールを片手に本の話、映画の話、仕事の話……。
途中からアタシの記憶は無くなった。
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