恋人昇格

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  「抱きたいの我慢したんだ?」     そう言うと彼は難しい顔をして、ここに座りなさい、と自分の向かい側の椅子を指さした。     「君は、自分の酒の適量を知らないのか?」   座った途端彼が言う。     「酒は飲むモノで飲まれるモノじゃない。 酔った君を帰そうにも住所も言えない。 タコのようにグニャグニャして、ヘラヘラ笑ってばかりで置いていく訳にもいかない。 仕方なく連れて帰って来れば、気持ち悪いと言って吐くし……。 どうせ君は覚えていないんだろ? 身体を締め付けるブラジャーは外させてもらったが、俺は酔っ払って訳の解らない女を抱く趣味は無い!」     二日酔いの頭にオッサンの説教……。   ますます気持ちが悪くなる。     「すみません……」   「あ……、いや、俺も言い過ぎたかもしれない。まぁ、解れば……」   「頭痛薬ありますか? えへっ、頭が割れそうに痛い」   「…………」     そこの棚の引き出しの中に入ってる、と言われ頭痛薬を取り出し2錠をイオン飲料で流し込んだ。     「……痛っ」   「もう少し横になってたらいい」     お言葉に甘えてもう一眠りさせてもらった。  
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