28歳

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  「本当に好きになったら自由が奪われようと、髪を振り乱そうといいと思えるんだよ。 聡美は本気で好きになった人いないんだろうさ」   陽子に言われ、確かにそうかもしれないと思った。     「身体の相性のいい人にも巡り逢えてないんじゃない?」   藍子が言う。     アンタはそればっかり。     身体ねぇ。   相性って何? どういうのがいいと言えるものなんだ?   だってさ、男ってみんな同じじゃないの?   勝手に興奮して、独りよがりで……。    サカリのついたオス犬みたいな……。     アタシが何気なく口にした言葉に藍子が食いついてきた。     「ねぇ、もしかしてさぁ、聡美っていった事ないのかな?」   「何処に?」   「天国!」     (はぁ? 何言ってんだ?)     「バカだぁー! 天国って死ななきゃ行ける訳無いじゃんか。まだ生きてますけど何か?」   「……、ふっ。無いんだ。可哀想に。あれだけ沢山付き合った人いるのに残念だねぇ」     あ、そっちのイクか。     無いけど……何か?  
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