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「本当に好きになったら自由が奪われようと、髪を振り乱そうといいと思えるんだよ。
聡美は本気で好きになった人いないんだろうさ」
陽子に言われ、確かにそうかもしれないと思った。
「身体の相性のいい人にも巡り逢えてないんじゃない?」
藍子が言う。
アンタはそればっかり。
身体ねぇ。
相性って何? どういうのがいいと言えるものなんだ?
だってさ、男ってみんな同じじゃないの?
勝手に興奮して、独りよがりで……。
サカリのついたオス犬みたいな……。
アタシが何気なく口にした言葉に藍子が食いついてきた。
「ねぇ、もしかしてさぁ、聡美っていった事ないのかな?」
「何処に?」
「天国!」
(はぁ? 何言ってんだ?)
「バカだぁー! 天国って死ななきゃ行ける訳無いじゃんか。まだ生きてますけど何か?」
「……、ふっ。無いんだ。可哀想に。あれだけ沢山付き合った人いるのに残念だねぇ」
あ、そっちのイクか。
無いけど……何か?
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