恋人昇格

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  「美味しい! 真司さん料理上手!」     ホントに美味しい。アタシの父親もたまに料理をするが、味覚が変なのか父の作った物は美味しくない。      「そうか? 一人暮らしが長いからな」   目の前にいる彼が嬉しそうに笑った。     (あ、また……キュンてなった)     「真司さん、アタシを恋人にして?」   「また、その話か」   「アタシどうしても真司さんと付き合いたい」   「なんでこんなオッサンがいいんだ……」   「料理作るの上手だから」   「…………」     彼は、しばらく考え込んでいるのか、黙ったままアタシを見つめていた。     「君は料理が下手なのか?」   そう聞かれてアタシは頷いた。     「ははっ、やっぱり。じゃあこれから教えてやるとするか」   「えっ?」   「俺も作って貰いたいからな」     口をパクパクするアタシに彼は言った。     「昇格してやるよ」   「ホントに?」   「君のしつこさには負けたよ。それに少し興味が出てきた」   「恋人にしてくれるの?」   「ああ」   ホントに?、ともう一度聞いたアタシに彼は答える。      「ああ、男に二言は無い」     (なんかジジ臭い……)   
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