恋人昇格

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  「今からアタシ達恋人同士だからね。 真ちゃんって呼ぶから、聡美って呼んで」   「ん? ああ」   パスタを食べながら返事をする彼。    「呼んでっ!」   「聡美」   「ああ~ん、いい! 真ちゃんの声渋いからゾクッとくる!」   「バカか……」     恋人にしてもらう事がこんなに嬉しい事だって初めて知った。     結婚は懲り懲りの彼と、結婚願望の無いアタシ。   いつまでも付き合っていけたらいいな。     そんな事を思い、胸を熱くしているアタシを彼がじっと見つめてくる。     「そんなに見つめたら恥ずかしいじゃん」   「そろそろそこに落ちてるブラジャーしたらどうだ?」     彼の視線の先にある椅子の横で、アタシのブラジャーが転がっていた。     (やだ、アタシずっとノーブラ?)     まぁ、いい。     そんな事より、今日はふたりが恋人同士になった記念の日。     出会ってから3か月経っていた。  
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