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水曜日の午後、ちょうど休憩に入っている時に藍子からメールが来た。
21時に来て欲しいとの内容だ。
今日は20時で仕事は終わるから、30分後には余裕で藍子のアパートに行ける事を返信すると、出来れば21時にと返ってきた。
解ったと送ったが、さてそれまでの時間をどうしようか考えた。
彼のとこにでも寄ってからと思いついたが、移動時間を考えるとせいぜい彼と一緒にいる時間は10分くらい。
『会いたくて来ちゃった』
『俺も会いたかったよ。コーヒーでも飲むか?』
『うん!』
コポコポ……(コーヒーを落とす音)
彼がキッチンに行き、カップにコーヒーを入れて持ってくる。
『ほら』
『ありがとう、でももう行かなくちゃ』
『だったら飲むなんて言うなっ!』
彼の怒る姿が想像出来る。
(30分仕事してくか……)
どうせ明日は休みだ。
いったい藍子のとこに行ったら何があるんだ?
何か手の込んだ料理でもご馳走してくれるとか?
藍子は、ああ見えて料理が上手なんだ。
すっかりご馳走が用意されている場面を想像して楽しみにしていた。
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