藍子の決断

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  やっぱり一人暮らしをすると、必要に迫られて料理をする事で上達するのかもしれないと思った。   アタシはずっと親元で暮らしていて、仕事が終わり家に帰ると食事の出来ている生活。   妹がいるが、彼女は既に結婚しており、家を出ている。   妹はよく母に料理を教えてもらい、休日には彼女が作る事もあった。     『あんたも少しは料理したら? 料理も出来ないで嫁に行くなんて事になったらお母さん恥ずかしいわ』   教えてやると言う母に、アタシは結婚しないから必要ない、と返したもんだ。     そんなアタシも、少しはやってみようかなと考えている。   何故なら彼が言ったから。   『俺も作ってもらいたいからな』     だから教えてやると言う事なんだが、母に言われるより素直にやってみようと思えるから不思議だ。     愛の力か?     自然と顔が緩む。     休憩前にアタシは本を買った。   料理の本も沢山あるもんで、どれを買ったらいいのか解らず、取り敢えず手に取ったのを買ってみた。   パラパラとめくると、写真付きで手順が載っていて、なんとなくアタシにも出来そうな気がした。   今度、彼のとこに持っていく事にした。  
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