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「どういう事か説明しなさいって言ってるでしょう!」
大きな声が聞こえてきた。
多分このドア一枚隔てて、誰かが目の前に立っているのだろう。
部屋の中から聞こえてくる声とはちょっと違う。
その大声の主は女性。藍子じゃない事ははっきり解る。
(誰?)
アタシの他に誰か呼んだの?
「一体いつからこんな付き合いを……。私は騙されてたって訳ね」
(まさか……、あの男の奥さん?)
「このドロボウ猫がっ!」
「キャー!」
藍子の悲鳴を聞いて、アタシは慌ててドアを開け中に飛び込んだ。
アタシの目に映ったのは、キャミソール姿の藍子と、藍子に馬乗りになる女性。
「ちょっと止めなさいよっ!」
アタシは女性の後ろから肩を掴み、藍子から引き離そうとした。
嫌がる女性が大きく身体を動かした弾みで、彼女の肘が脇腹に当たった。
(痛っ……)
脇腹を押さえたアタシの視界にもうひとり映った。
パンツ一枚でこの光景を見ている藍子の彼氏。
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