4820人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
「イコうがイカまいが、そんなもんどうでもいいんだもん。彼氏の一人もいないとさ、どんどんみんな結婚して遊んでくれる相手いなくなって……、あ? アンタ達はいつも付き合えるね」
「悪かったね、ヒマ人でさ」
「あ、私は夜は無理だから。彼との大切な愛の時間だからね」
結婚したいって思わないけど彼氏欲しいなら不倫がいいじゃん、と藍子は言うが、アタシは不倫は嫌いだ。
太陽の下堂々と歩く事も出来ず、寝静まった繁華街をコソコソと這い回るネズミみたいな事はしたくない。
何処かに、結婚願望が無く、いつまでも恋人でいてくれて、束縛しないで、甘えたい時に甘えさせてくれて、エッチもそんなにしたくない人……。
いないかなぁ……。
「無理だね」
陽子が言った。
「爺さんがいいんじゃない? 80くらいの。
もうしたくてもエッチ出来ないだろうさ」
藍子がそう言って笑った。
爺さんねぇ。寄り掛かっても倒れないか?
付き合ったものの、数日後ポックリ逝ったりしないか?
なに真剣に考え込んでんのよ、と陽子に言われた。
最初のコメントを投稿しよう!